加齢黄斑変性
「物が歪んで見えたり、視力が低下する」疾患です。
以前は手術治療が行われていましたが、現在では薬剤(抗VEGF抗体)の硝子体内注射やレーザー治療が行われています。
「物が歪んで見える」=「加齢黄斑変性症」ではありません。他の疾患でも同様の症状は出てきますので、異常を感じたら、まずは眼科を受診してください。
加齢黄斑変性の病態
加齢黄斑変性症にはいくつかの病態があります。
治療はその病態に応じて異なりますので、詳細な検査のできる施設へ紹介し治療をお願いしています。病状が安定した方の定期検査、あるいは定期的な診察の中での抗VEGF抗体の硝子体内注射は、当院でも行なっています。
しかし、治療で視力回復あるいは維持できる方々はまだ多くはありません。現在iPS細胞を利用した治療の試みが進行中です。世界中が期待しているところです。
加齢黄斑変性の硝子体内注射による治療
抗VEGF抗体を硝子体内に注入することにより、視力の回復や維持が期待できます。ただし一度の注射で治療が終了することはなく、多くの場合は長期間注射することになります。
脈絡膜からの異常な血管(脈絡膜新生血管)が、生えてくることによって起こる浸出型が治療対象です。新生血管は破れやすく、出血したり、血液中の成分が漏れ出して浮腫を起こしたりし、視細胞の機能が障害されます。脈絡膜新生血管はVEGF(血管内皮増殖因子)という物質で成長が活発化します。抗VEGF抗体を注射することで新生血管の増殖や成長が抑制される訳です。