白内障とは
白内障は、水晶体というカメラのレンズにあたる部分が濁る病気です。
先天性のものや他の眼疾患に伴う白内障など少数のものを除けば、ほとんどが加齢性白内障です。
70才を過ぎれば、ほとんどの方に白内障があると思っていただいて間違いありません。
白内障の症状
白内障では次のような症状が出てきます。
- かすむ(すりガラスから見ているようだ)
- 明るいところだと、まぶしくて見にくい
- ぼやけて二重、三重に見える
- 近くが見やすくなってきた(老眼鏡をはずした方が見える)
など
白内障の治療法
軽度の白内障の場合には、点眼などによって進行を遅らせることがありますが、根本的な治療は手術であり、手術をしなければ見えやすく出来ません。
手術をするかどうかは基本的には患者さんがどの程度困っているかに関わりますので、十分相談して決めていきます。
白内障の手術
水晶体は大雑把にいうと、袋と中身とから出来ています。
濁っているのは実は中身だけで、袋は濁っていません。
そこで袋は残し、中身だけを取り出します。
そして残った袋の中に人工のレンズ(眼内レンズ)を収めてしまいます。
当院では、この手術を日帰りにて行っております。
術後の注意
手術後しばらくして眼内レンズを収めている袋が濁ってくることがあります。
これを後発白内障といい、また見えにくくなってしまいます。約20%の方に生じているようですが、この場合は濁った袋の中央部分を切ってしまえばまた視力が回復します。
当院ではこの濁った袋を切る手術をレーザーにて行っており、比較的容易かつ安全にできます。
白内障手術後、何年かは良かったが、最近見えにくくなってきたという方は、この後発白内障かもしれません。気になるようでしたら一度ご相談ください。
白内障の日帰り手術
当院では、専用の手術室で徹底した衛生管理のもと毎月20件超の手術をしております。
患者さんのお仕事やライフスタイルを考慮して、どのような治療をするか(どのような眼内レンズを入れるか)を一緒に決めていきます。 手術は午後の診療時間前に行っています。
術日を月・金・土曜日の3日間設定しておりますで、ご都合に合わせて手術日を決めていただけると思います。
当日の流れ
当日はお昼の食事は軽めにしていただき、12時半頃来院していただきます。
実際の手術は20分程度で終わりますが、手術の準備や、術後の状態などをチェックしてからの帰宅となりますので、約2時間程度は病院にいると思ってください。
また、当日は眼帯をしてしまいますので、付き添いの方とご一緒の方が安全です。
術後の注意
手術翌日、2日目、1週間後は経過観察のため受診していただいています。
状態が良ければ手術翌日からよく見えます。
しかしここで安心せず、1~2週間は人混みやホコリっぽい仕事は避けるなど注意が必要です。
術後は数ヶ月間点眼します。
遠くも近くもよく見るためにはメガネが必要です
また、遠くも近くも何でもよく見えるようになる訳ではありません。
一般的な眼内レンズを使用した場合、遠くも近くもよく見るためにはメガネが必要になります。
当院では裸眼の状態で、遠くにピントが合うようにするか、身の回りに合うようにするか、近く(30~50cmぐらい)にピントが合うようにするか、を術前に患者さんと相談して決めています。 両眼のピントの位置をわざと少しずらすのも、見えやすい範囲が広がるので便利のようです。
乱視を軽減するレンズやちょっとの多焦点レンズもあります
最近では乱視矯正も可能な眼内レンズが保険診療で使用できます。
当院でも使用していますが、元々乱視の強めの方には、かなりの朗報で、非常に良い結果が得られています。
また、遠くも近くも見える多焦点眼内レンズ、とまではいきませんが、同じく保険診療の枠内でちょっと多焦点の機能を持ったレンズが使用可能になっています。当院では患者さんとお話ししながら、ニーズに合いそうな方には積極的に使用しています。
後発白内障手術
術後数ヶ月あるいは数年して、また見えにくくなることがあります。
これは、眼内レンズが納まっている袋の部分が濁るもので、後発白内障といいます。
白内障手術後、約20%程度の方に起こっています。
この場合はレーザー治療でまた見やすくできます。
レーザーで濁った袋に穴を開けるのですが、通常は数分で完了します。
多焦点眼内レンズ
通常の眼内レンズは単焦点といって、ピントの合う距離がある一定の距離、一カ所に決まっています。
例えば1mの距離にピントが合うレンズを入れた場合、その近辺はよく見えますが、それよりも遠くや近くはメガネがないとはっきりしないのです。
それに対し、遠くも近くもピントが合うレンズがあります。
これが多焦点眼内レンズです。
夢のようなレンズに聞こえますが、いくつか“ただし書き”があります。
- レンズが高価である
- 遠くも近くもまあまあ見える、程度に考えていた方がよく、おおらかな性格の人の方が成功するようです。
- 多焦点の見え方に慣れない方もいて、結局単焦点レンズに入れ替えになってしまう方もいます。
等々“ただし書き”はありますが、現在使用できる最高機能を有するレンズであることは確かです。
当院でも、ご希望の方にはこのレンズを使用しています。
ご費用については、当院までご確認ください。